manyaのオススメ度:★★★★★★
巻数:全9巻
出版社:白泉社
掲載誌:花とゆめ
作者:草凪みずほ
↪︎「暁のヨナ」「ゲーム✖️ラッシュ」「よいこの心得」etc…
NGライフは胸キュン・感動・笑い・切なさ要素ありの前世ものラブコメディです。
明るく楽しい、笑える少女漫画が読みたい時は是非読んでみてください!
こんな人にオススメ
1.10巻以内で完結している漫画が読みたい
2.胸キュン+ギャグ要素の強い漫画を求めている
3.絵の綺麗な漫画が好き
ストーリー説明
冴木敬大(さえきけいだい)は生まれながらに前世の記憶を持つ男子高校生である。
前世はシリクスという名で、イタリアの古代都市ポンペイで暮らしていた。
彼は心優しい仲間たちと共に幸せに過ごしていたが、突然の歴史に残る大噴火によりポンペイは消滅してしまう。
敬大は現世に生きていながらも前世を忘れられず、どこか孤独を抱えて毎日を過ごしていた。
しかし、見えない力に引き寄せられるように、前世の仲間たちが次々と敬大の前に現れて…!?
登場人物
冴木敬大(さえきけいだい)→シリクス
イケメンで勉強も出来るがヘタレ。生まれた時から前世の記憶がある。前世はイタリアの剣闘士。
芹沢美衣(せりざわみい)→ロレイウス
飄々としてサッパリした性格。現世では記憶はない。前世は男でシリクスの親友だった。
佑城裕真(うじょうゆうま)→セレナ
小さいけれど力持ち。現世では記憶はない。前世は女でシリクスの妻だった。
感想 ※ネタバレを含みますので苦手な方はご遠慮ください
第一印象
第一印象は「設定が斬新だな〜」と「絵が綺麗!」の2点です。
前世で愛し合っていた二人が生まれ変わって現世で再会する。
ベタだけどそういう設定大好き〜、と思いきやセレナは男に生まれ変わっていた。
最初読んだ時はえ!!この漫画本当に誰とくっつくの〜って思っていたけど、結構序盤で芹沢の可愛さが爆発してたからすぐに芹沢エンドしか考えられなくなりました。
私は『暁のヨナ』を読んでからNGライフに来たんですけど、やっぱり草凪先生はこの頃から絵が上手ですね。キャラの顔だけじゃなく身体全体とか躍動感のある絵が少女漫画と思えないくらいです。
それにこの時代(連載開始は2006年〜)に少女漫画で男の子が主人公+微妙にBL?を思わせる漫画って希少だったと思うんですよね。発想力もすごいけどそれを面白く書き切るのがこれまたすごいです!!
深影蒼一と榊原朱奈
で、私がNGライフで絶対語りたいカップリングがありまして、それが見出しにある深影蒼一と榊原朱奈ちゃんなんですね。
いや〜本当にこんな尊いカップルある?
正直序盤から中盤までは敬大と芹沢推しだったけど完全に心持ってかれました。
アグライヤとしての記憶を失った朱奈ちゃんと、前世を思い出して欲しくて仕方ない深影は登場時こそ仲の悪い雰囲気でしたが、最終的に深影が「思い出さなくていい」と言ったことで和解。
何がそんなに良かったかっていうと、具体的には下記の3つです。
POINT
①過去の思い出からのセリフ回収
②朱奈ちゃんの涙
③公園でのキスシーン
まず①ですが、第6巻で朱奈ちゃんと深影の過去のエピソードが出てくるんですよね。
そこで子供時代の深影が自分の友達に対して「こいつ(朱奈)は俺のもの。あ、違った、俺がこいつのモノだったんだ」みたいな事をふざけていう場面があります。
当時は「お前なんかいらん!」と突っぱねていた朱奈ちゃんですが、前世の記憶を失ってアグライヤから”榊原朱奈”になった朱奈ちゃんが思い出の公園で深影に言ったセリフ。
お前は朱奈(わたし)のものなんだろう?
え?セリフの回収の仕方が神すぎる…。
こんなの言われたら誰だって記憶なんてどうでも良くなるわ(笑)。
しかも私のもの宣言からの②、天然で何事にも動じなさそうな朱奈ちゃんが初めて見せた涙(深影も初めて見たのか??)には誰でも心持ってかれますよね。本当にズルすぎる。
そして③の公園でのキスシーンなんですけど、こんな映画みたいな綺麗なシーンをイラストで表現できるの凄すぎる!って叫びたくなるほど素敵なので本当にもっといろんな人に読んでほしいです。
最初に書いた通り私は結局王道のベタベタな展開が好きなので(生まれ変わってもまた同じ人を好きになる的な)、主人公から朱奈ちゃんと深影のカップリングに鞍替えしてしまいました。
でも絶対同じような人いると思う(笑)。
正直アグライヤ様も大好きなので記憶思い出して欲しかったですけど、ストーリー的にもこれが一番なんだなって全巻読んだ後は思います。
裕真に対してもそうだけど、思い出したところで結局今の自分とは別の人物ですもんね…。
ギャグセンスが光っている
NGライフは少女漫画にしてはコメディ要素が強いです。
ツッコミとボケのバランスがいいし、キャラクターたちの会話の掛け合いめちゃめちゃ面白いです。
特に主人公が率先して面白い事をするので、読んでいて飽きないですね(笑)
『暁のヨナ』もそうだけど、キャラの個性が光ってるからかなって思います。
凌(しのぐ)さんの魅力
現世では裕真の従兄弟のお兄ちゃん、前世ではセレナの姉(スミルナ)だった凌さん。
初登場時は敬大の好敵手ポジションだったけど、いつの間にか作中で一番優しくて良い人じゃないかと思うようになりました。
個人的に好きなのは、皆んなでプールに遊びに行った時の話。暑いのが苦手な凌さんに対して朱奈ちゃんが付き添うから休憩所に行こうと声をかけますが、凌さんは一人で行くからみんなと遊んでおいでと言います。
前世で親友だった二人なので凌さんは朱奈ちゃんと一緒にいたかったと思いますが、相手の事を思って断ったんですよね。朱奈ちゃんは現世では自分の事を覚えていないわけだから。
前世の記憶はあるけどそれを押し付けたりせず、今の自分と相手の関わり方をちゃんと客観的に見れているところが大人ですごいと思います。
それに朱奈ちゃんと深影がすれ違っている時も、凌さんが朱奈ちゃんの立場に立って深影に発言をしたおかげで二人はうまく行きました。
なんやかんや一番人の立場に立って物事を考えられているのは凌さんなんだよなあと。
どうか幸せになってほしいです。
不憫な芹沢が報われて良かった
連載当初から敬大に想いを寄せる芹沢だが、前世の記憶を持ち続ける敬大にとって芹沢はただの友達(しかも男友達のように扱われる)。
仕方ないけど、でも芹沢が不憫すぎる。
これ裕真が男だったから良かったものの、女の子だったらもっと切なさ倍増だったんだろうなあと思う。
しかも結構期待させては落とされるの繰り返しだったり、それでも明るく元気に敬大に接する芹沢には良い子すぎて涙が出ます。
でもようやく前世の捉われから解放された敬大。二人は無事結ばれたので、本当に良かったです。最後の方は敬大が芹沢を追いかける形になっていましたね(笑)。本当に芹沢には永遠に幸せでいて欲しいです。
引き込まれるストーリー
NGライフは「前世の記憶」がテーマになっていますが、途中で記憶がある人とない人の違いってなんだろうと皆さんも考えたはずです。
それが徐々に明らかになっていくのが面白さの一つで、私は読み終えた時にすごく納得したんですよね。
ポンペイで『未練』を残して死んだシリクス、スミルナ、デュロス、アグライヤ。
結局全員が報われた訳ではないと思うけど、とりあえず最後のみんなが幸せそうだったのでオールOKです。
まとめ
今回は私の大好きな漫画、NGライフの感想を書き綴りました。
読んで損はないので、是非手に取ってみてください!